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ケイジュの絵画狂時代

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自分の作品を展示してます。

 

(新)安里屋ユンタのオリジナル歌手

沖縄の海


しばらく更新をサボっている間に夏になってしまいました(汗。実は暑いのが結構嫌いで寒いのも結構嫌いです。何が言いたい?というわけで嫌いな夏に何とか自分を順応させようと最近は沖縄の歌など聴いているんですが、やっぱ定番中の定番曲、安里屋ユンタが一番気分が出るな! ということでネット社会の有難さ、安里屋ユンタで検索して出てきた動画を片っ端から聴きくらべ、それも飽きるとハイサイおじさん聴いて、それも飽きると花とかオリオンビールのとか聴いて一周するとまた安里屋ユンタを聴き比べるという変な癖がついて困っております。絵を描けって。

で、その安里屋ユンタ、やっぱり夏川りみさんのカバーが圧倒的に有名ですが、個人的には上間綾乃さんの数年前の居酒屋ライブとかあと華菜枝さんという方のライブの動画が大変気に入りました。ちょっとリンク貼っときますので。

上間綾乃さん、思わず美しいお顔に目がいきますが実力も。
上間綾乃、居酒屋ライブ

華菜枝(菜菜星)さん、柔らかい美しい声。
華菜枝(菜菜星)、沖縄料理店ライブ

こうして沖縄民謡の名曲として数多くの方に歌い継がれている安里屋ユンタなんですが、調べてみると元々江戸時代から存在していた安里屋ユンタとは別のもので、1934年(昭和9年)に本土向けにやまと言葉で改作されてレコードとして販売されたバージョンが広まって今日一般的に知られる安里屋ユンタになったということでした。

なんでも満州事変の戦地で元の安里屋ユンタの「マタハリヌ、チンダラカヌシャマヨ」の一節が「死んだら神様よ」と空耳的に受けて広まったそうですがw、(いや笑えん)。それを受け、コロムビアレコードから作曲:宮良長包、作詞:星迷鳥(本名、星克)でレコードに吹き込まれて発売されたとのこと。まあそこまでは分かったんですが、なぜか吹き込んだ人物の名前がなかなか見当たらず、気になって色々調べてもこれが簡単には分からず、ムキになってやっと数年前のヤフオクのSP盤のラベルに表示があるのを見つけて、それを糸口にようやく唄い手が分かりましたので嬉しさのあまりこのブログ記事にしたという・・・それはともかく、


唄い手は、大浜津呂、崎山用能、仲本マサ子の御三方ですね。大浜津呂は八重山古典音楽の流派のひとつ大濱用能流の師範で、現代美術の岡本太郎の前で民謡を披露したというエピソードが残ってますね。また崎山用能は三線だけでなくバイオリンや琴なども演奏し八重山民謡を広めた、という記載がありました。それから仲本マサ子は作曲者の宮良長包の姪にあたる方のようです、(ちなみに作詞の星克は戦前は教育界に身を置かれ戦後は政治家に転身、地元の為に尽くしたとのこと)どの方も当時の八重山民謡界の第一人者の方々で、ニットーレコードやコロムビアレコードなどのSP盤に盛んに唄を吹き込まれ本土に八重山民謡を広めていった立役者だったということのようです。思えば現在まで連綿と続く沖縄出身のミュージシャンの祖先とも原点とも呼べる存在ですね。そのような方々の唄う安里屋ユンタがどのような唄だったか、ここまで来たらやはり聴いてみるしかない!というわけで、収録されているCDを探しましたらこれはあっさり見つかりました。以下、

SP盤復元による沖縄音楽の精髄(下)、これは絶版

その後出た同内容のシリーズの内

SP盤復元による沖縄音楽の精髄4、 これも絶版

とりあえずサンプルはありましたのでリンクを貼っときますが(ディスク2の22曲目、一番下)、イントロ長すぎて唄が分からんという・・・

一番下の方にサンプル有り。
Sp盤復元による沖縄音楽の精髄下

おまけに絶版なんでなかなか売っておらず、やっと見つけたらプレミア付いて結構高いので、他に何か無いかと色々探してみたら、「SP盤復刻日本民謡の名人をたずねて(下)」の17曲目に入っているのを発見、無事入手いたしました。

日本民謡の名人をたずねて(下)


えー以下は実際に聴いてみた感想です。まずサンプル通りイントロがやたら長く、ついでに間奏も変に長いですね。また何と民謡だというのに三線が全く入ってなくて全編ピアノとバイオリンの伴奏です。1番と3番を大浜津呂が歌い、2番と4番を崎山用能が唄って、仲本マサ子が合の手という分担になってて、例の観光用みたいな5番はオリジナルには無いですね。全体にピアノ伴奏のリズムが馴染まないようで、声の余韻を伸ばせず唄が非常に窮屈になったり、合いの手が合わなかったりするような箇所もありました。皆さん他の民謡では素晴らしい喉と三線を披露されているので、正直これは相当無理やり本土向けに作られた曲で、吹き込みにあたっては元曲のユンタとはかなり勝手が違ってて、皆さん相当苦戦されたんじゃないかといった印象を個人的には持ちました。

でも考えてみれば、そんなピアノとバイオリンの安里屋ユンタが80年以上の時を経て逆に民謡として洗練されていって今では八重山民謡の代表曲として大勢の唄い手に唄われ世間にもそう思われるまでになっているのが本当は一番素晴らしいところじゃないかと思いますね。これぞ脈々と生き続ける八重山文化の伝統っていう感じで。今売れている歌の中にこれだけ大切にされる歌がどれほどあるだろうかと、そんなことをふと思いました。が、その安里屋ユンタが生まれたきっかけが例の空耳だったというのがまたこう・・・・・・世の中味わい深いですね。特に今日はサーターアンダーギーの味がします(実は今、おやつに食ってる)

というわけで、せっかくだからこの音源をアップしたいんですがSP盤じゃなくCDによる入手音源なのでさすがに著作権が・・・、腹いせにハイサイおじさんでも聴いてくだされ。

喜納昌吉&チャンプルーズ全盛期!
ハイサイおじさん

いや凄いというか、コーラスのお姉様方がとんでもねーというか、単語が3つしか分からんというか実に夏ですなあ。

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Author:keijyu
三好桂樹

趣味で絵を描いてます。
日曜画家。
(正確には夜間画家)

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